【LOBO調査】焼津市管内景気調査(2023年5月)

やいづ動向調査お知らせ

全国業況は、5類移行による活動回復で3か月連続改善。
先行きは、物価高や人手不足等で厳しい見方続く。

 
焼津市内業況は若干好転。
先行きは5類移行による経済活動の回復に期待もあるが、引き続きコスト増の負担が続くと見て悪化の見通し。

 
※DI:Diffusion Index(ディフージョン インデックス=景気動向指数)の略。
各調査項目について、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から
「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた数値で、企業の景況感の判断に使用する指数。

5月調査の傾向

全国の全産業業況DIは▲6.2(前月比+4.9ポイント)となった。行動制限のない大型連休に加え、コロナの5類移行による消費マインドの改善、インバウンド・国内観光需要の回復で、飲食・宿泊関連のサービス業、百貨店・土産品販売等の小売業で改善した。また、製造業では、底堅い国内の設備投資需要の下支えで改善し、卸売業でも製造・小売・サービス業からの引き合い増加で改善した。建設業でも、政府の補正予算による公共工事の受注増で改善した。
原材料・エネルギー価格の高騰や人材確保に向けた賃上げ等のコスト負担増、需要回復に伴う人手不足、価格転嫁が十分に追い付いていない等、経営の重荷は多いが、経済活動のさらなる回復で、中小企業の業況は改善が続いている。

 
焼津市業況DIは▲23.6(前月比+5.9ポイント)と改善した。マスク制限なしの大型連休を迎え、飲食業・宿泊業では景気回復の期待感が伺える。しかし全国同様、業種問わずコスト増の負担が続いており、収益の圧迫が大きい。徐々にではあるが小売業や製造業を中心に価格転嫁の動きを進め始めてきている。

付帯調査テーマ

・正社員における2023年度の賃上げの状況について

付帯調査の傾向

・「正社員における2023年度の賃上げの状況について」という質問に対して、焼津企業は「業績が改善しているため(見込み含む)、賃上げを実施した(予定含む)」または「業績の改善はみられないが(見込み含む)、賃上げを実施した(予定含む)」という回答が76.5%であり、前年度調査(56.3%)から+20.2となった。
・賃上げの内容については「定期昇給を実施した(予定を含む)」が最も多く58.8%、賃上げ率については「3%以上4%未満」が最も多く33.3%となった。賃上げを行う理由については「人材確保・定着やモチベーション向上のため」が最も多く92.3%、次に「物価が上昇しているため」が61.5%、「新卒採用者の初任給や非正規社員の給与を引き上げたため」が46.2%と続いた。人材確保や物価上昇が続く厳しい経済状況に伴い従業員の生活を考え賃上げを行っている。

 

調査企業からの声

・コロナ規制緩和前より外食産業が活気を取り戻しつつあり、当社の主要製品である削り節は、外食産業を中心に売上がコロナ以前の水準まで近づいてきている。しかしながら、前期より魚価高の影響で利益は取れない状況が続いている。(水産食料品製造業)
 
・定期昇給を平均3%実施したのは、「インフレが2%ではおさまらない」と考えているため、生活レベルで考えたとき、「給与を3%上げても現状維持」なのではないか、と考えているからです。現状は国内、海外共に高騰してきており、一方でエンドユーザーへの価格転嫁が進まず対応に苦慮しています。Chat-GPTのようなAIが登場してきたので、積極的に活用し、システム開発業務の効率を上げていきたいです。(ソフトウェア業)
 
・GW大型連休の後半祝日についてはコロナ前に戻ったような雰囲気が感じとれ今後の事業継続に明るい兆しがみえた。少しは人材の確保も出来ており、コロナ5類引き下げの影響や市の経済喚起策も控えており、通常営業にいつ戻すか検討中。しかし依然としてエネルギーコスト等の上昇が響いており大変な舵取は続く。(飲食業)
 

リンク

・全国の調査結果はこちらから(日本商工会議所へ
・商工会議所LOBO調査とは(日本商工会議所へ