全国業況は、物価高による消費低迷が続き、再び悪化。
先行きは、長引く経営課題多く、力強さを欠く。
焼津市内業況は、悪化。
先行きは、コスト増や個人消費の低迷が続くと見て、悪化の見通し。
※DI:Diffusion Index(ディフージョン インデックス=景気動向指数)の略。
各調査項目について、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から
「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた数値で、企業の景況感の判断に使用する指数。
10月調査の傾向
・全国の全産業合計の業況DIは▲17.2(前月比▲3.1ポイント)となった。
・小売業は、消費者の買い控えが重く、悪化した。サービス業は、秋の行楽シーズンで宿泊業は堅調な一方、生活関連サービス等が下押しし、悪化した。また、卸売業は、小売業・サービス業からの引き合い減少に加え、農畜産水産物関係では天候不順による価格高騰で収益悪化も見られ、悪化した。建設業は、資材価格の高騰や住宅関連の受注不振で、悪化した。製造業は、自動車関係がけん引し、改善したが、小幅に留まっている。
・原材料・電気代の高騰や最低賃金の引上げ等、コスト増が続いている。また、深刻な人手不足の中、人材確保に向けた賃上げ等を行っているものの、価格転嫁は十分に追いついておらず、中小企業の業況は再び悪化に転じた。
・焼津市業況DIは20.0(前月比+13.3ポイント)と改善。国内観光需要の恩恵を受け宿泊業は堅調に推移。近年の販売価格の見直し、仕入価格低下という2つの効果により業績が改善したこともあり食品製造業は右肩上がりが続き好調である。小売業は長引く物価高に伴う消費者の節約志向やコスト負担増の継続が下押しし、ほぼ横ばい。水産卸売業は悪化が続いている。天候や異常気象に左右される夏が終わり、秋口には各種イベントも増加し経済が好転することに期待するが、内需の伸び悩みが懸念され慎重な見方となった。
付帯調査テーマ
・コスト増加分の価格転嫁の動向
付帯調査の傾向
発注側との価格協議について焼津市調査企業は71.4%が「発注側企業に協議を申込み、話し合いに応じてもらえた(協議の結果、価格が変更されなかった場合も含む)」と回答し、価格協議が順調に進められている。
「全体的なコスト増加分のうち、何割程度の価格転嫁ができているか」という質問に対し、昨年度同様1番回答が多かったのは「4~6割程度」で42.9%、前年度調査(52.9%)から▲10.0悪化した。また、「特に“労務費の増加分”のうち、何割程度の価格転嫁ができているか」という質問には、「1~3割程度」と「4~6割程度」が同率で35.7%、「7~9割」と回答が21.4%であった。コスト増が続く中でも価格転嫁は浸透してきているが、最低賃金引上げやなどの更なるコスト増により、価格転嫁は十分に追いついていない。
調査企業からの声
・コスト増の要因として、材料費、人件費、燃料資材等が挙げられるが、当社のような水産加工業においては「材料費」がコストの大半を占めるため、相場に左右される魚価を適切なコストに転嫁するのは非常に難しく、取引先との信頼関係で価格が決定する特殊な業界である。(水産食料品製造業)
・価格転嫁のことは企業に任せてもらいたい。働きたい人には存分に働いてもらい、存分に給料を払えるようにしてもらいたい。「きついか、きつくないか」は人によって違う。労使がきちんと話し合って個別に決めていけばいいこと。働き方の選択の自由を与える方向に転換するべき。様々なビジネススキルを身につける前に、まず人としての基本的なスキルである感謝の気持ちをもつということを労働政策の中に取り入れてもらいたい。それでも転職したいという社員に対してはもちろん引き留めることはできないが、お互いが円満に、次につながるような別れにしていきたいと考える。(ソフトウェア業)
リンク
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