消費低迷の中、コスト増継続で横ばい。
先行きは、消費拡大の見通し立たず、慎重な見方。
焼津市内業況は、悪化。
先行きは、夏休み需要やイベント等による消費の拡大に期待し、好転の見通し。
※DI:Diffusion Index(ディフージョン インデックス=景気動向指数)の略。
各調査項目について、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から
「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた数値で、企業の景況感の判断に使用する指数。
7月調査の傾向
・全国の全産業合計の業況DIは、▲16.3(前月比▲0.1ポイント)となった。
・製造業は、物価高により企業の設備投資意欲に弱さが見え、機械器具関係を中心に悪化した。小売業・サービス業は、堅調 なインバウンド需要が下支えするものの、長引く物価高による消費者の購買意欲の低下で力強さを欠いている。また、卸売業で
も日用品や飲食品関係の需要減で弱含みとなっている。建設業では、公共工事の下支えで改善を示すも、人手不足やコスト増等の重荷は継続している。
・原材料価格が高止まりする中、激変緩和措置の終了や円安基調で、コスト負担増は継続している。また、日経平均株価は最高値を記録したものの、中小企業は価格転嫁等で恩恵を十分に享受できておらず、業況は足踏み状態となった。
・焼津市業況DIは▲7.2(前月比▲7.2ポイント)と悪化。長引く物価高騰による消費者の買い控えや連日の猛暑などの天候不順により飲食業が悪化。インバウンドや国内観光需要はあるものの観光バスの運行が難航し宿泊業は横ばいが続いている。食品製造業は堅調に推移している。
付帯調査テーマ
・物流2024年問題への対応の動向(主に荷主)
付帯調査の傾向
焼津市の調査企業は「2024年問題等を背景とした物流効率化等の取り組み状況」という質問に対して、「取り組みを開始している」との回答は21.4%で、42.9%の企業が「物流2024年問題を認識しているが何をすればいいのかわからない」と回答。問題を認識しているものの対策を取れずにいる企業が半数近くあり、対応策に悩む企業に対して有効な情報を発信していく必要がある。また、物流コストの増加分の価格転嫁状況については、「物流コスト増加分・原材料等の上昇分のいずれも価格転嫁できている」と回答が23.1%、「物流コスト増加分は価格転嫁できていないが、原材料等の上昇分は価格転嫁できている」が38.5%であった。
物流コスト増加分についての価格転嫁はまだまだ追い付かず、今後も引き続き対応が必要である。対応策を取っている企業の多くは「発注頻度の見直し・配送回数の削減」や「他企業との共同配送の実施」を行っている。
調査企業からの声
・当社のような水産加工業(鰹節製造)は一昨年から鰹の不漁に始まり、ロシア・ウクライナ紛争によるエネルギー(電気・ガス)の上昇、更に2024年問題をはじめとする各経費の増加等、取り巻く環境は非常に厳しいものになっている。こうなってくると事業の拡大というよりは、現状維持という消極的な思考になっていく。(水産食料品製造業)
・観光バス事業者のドライバー不足により、トップシーズンに団体客が動けない状態に陥っている。さらに、バス料金の高騰がひとり当たりの団体費用を押し上げ、機会損失を助長している。(サービス業)