全国業況は、コスト上昇に感染拡大が重なり、悪化。先行きは、物価高や外需停滞の懸念から厳しい見方
焼津市内業況も悪化。今月も引き続きコスト増が重荷となっている。先行きもコスト増が続き悪化の見通し
※DI:Diffusion Index(ディフージョン インデックス=景気動向指数)の略。
各調査項目について、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から
「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた数値で、企業の景況感の判断に使用する指数。
12月調査の傾向
全国の全産業業況DIは▲18.4(前月比▲2.0ポイント)となった。製造業では、部品等の供給制約の一部緩和に加え、企業の堅調な設備投資需要に牽引され、業況が改善した。また、卸売業でも、製造業向けの原材料・部品等の引き合いが増加し、改善した。一方、建設業では資材・燃料価格の高騰に加え、人手不足による受注機会の損失で業況が悪化した。 また、小売業・サービス業では、物価高に感染拡大が重なり、消費マインドが一段と低下し、業況が悪化した。
焼津市業況DIは▲38.9(前月比▲18.9ポイント)と悪化した。全国旅行支援の継続により宿泊業の業況は改善しているが、エネルギー価格・原材料価格の高騰により製造業・小売業・卸売業では業況は悪化。コロナの感染再拡大による影響が飲食業に出ている。3か月後の見通しも引き続き悪化が予想される。
付帯調査テーマ
・新型コロナウイルスによる経営への影響
・2022年度の所定内賃金(正社員)の動向
付帯調査の傾向
・「2022年度の賃上げ」の焼津市内調査結果は、77.8%が賃上げを実施している。賃上げを実施した焼津企業のうち、「業績が改善しているため賃上げを実施した(前向きな賃上げ)」は、16.7%であった。
・焼津企業が賃金を引き上げる理由については、「人材確保・定着やモチベーション向上のため」が92.9%、「物価が上昇しているため」が35.7%であった。
・賃金の引上げを見送る(予定含む)と回答した焼津企業すべてが「今後の経営環境・経済状況が不透明なため」と回答した。
調査企業からの声
・客先メーカーが部品調達に苦戦していることに加え、今年の前半、見込み発注を繰り返していたことにより、過剰在庫が発生し、延期や受け入れ拒否、発注のストップといった事態が散見される。その結果、売上高の減少といった様子。 年度末に向けて、景況感は下がってゆく気がします。(非鉄金属製造業)
・今期は前期と比べて原材料や電気・ガスなどの燃料代が高騰しており、業績としては厳しい状況下となっているが、知名度の低い当社にとって、社員をつなぎ止める一手段として、ある程度納得できる給与体系にしておく必要がある。(食料品製造業)
・年明けに状況を再度確認して価格改定するか決定するつもり。仕入コスト、エネルギーコストは上昇の一途であり厳しい。団体ツアーなどの予約が少しずつ戻ってきた矢先にコロナ感染者数が増え、旅行会社の判断でツアーキャンセルが続出し思うような集客、来店者数にならずに未だ難しい状況が続いている。(飲食業)
・インフレ手当として、冬季賞与に上乗せして支給する予定。業界的にも先行き不安。現況は悪くないが、次年度建設不況が見通され、社会全般に波及するのではないかと危機感あり。本年度の設備投資は見送りとした。 (物流業)