全国業況は、活動回復が進み2か月連続の改善。先行きは、コスト増への警戒感強く厳しい見方。
焼津市内業況も、大幅に改善。3年ぶりに規制のない連休を控え、大きな期待感。
※DI:Diffusion Index(ディフージョン インデックス=景気動向指数)の略。
各調査項目について、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から
「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた数値で、企業の景況感の判断に使用する指数。
4月調査の傾向
全国の全産業業況DIは▲25.7(前月比+7.0ポイント)となった。日常生活の回復が進み、再開した春のイベントや県民割等の需要喚起策で客足が戻りつつある外食・宿泊関連のサービス業や、堅調な電子部品や飲食品関連等に下支えされた製造業で業況が改善した。一方、資材供給不足や納期遅れが深刻な建設業が悪化した。また、業種を問わず、対ロ制裁や円安の急伸により、原油等の資源・原材料価格等の高騰が加速化し、企業の収益を圧迫している。
焼津市業況DIは▲17.6(前月比+25.3)となり改善した。特に3年ぶりに規制のない連休を迎え、サービス業を中心に景気回復の期待感が伺える。ただし、全国同様、業種を問わない原材料・資材等の高騰が経営に多大な影響を与え始めている。
付帯調査テーマ
・新型コロナウイルスによる経営への影響
・円安進行が業績に与える影響
・2021年度の採用実績の動向
付帯調査の傾向
・「円安進行が業績に与える影響」では、53.3%の企業が円安はデメリットが大きいと回答している。具体的な影響は、「原材料、部品等の仕入れ価格上昇に伴う負担増」が80.7%、「燃料・エネルギー価格上昇に伴う負担増」が73.6%、「仕入コスト上昇分が価格転嫁できない」が48.5%となった。
・「2021年度の採用実績の動向」については、「募集し、採用できた」と回答したのは49.7%と前年度調査(51.1%)と大きな変動は見られない。ただし、予定した人数を確保できなかったのは、44.2%と全体の半数近くが充足していない。
調査企業からの声
・観光需要喚起策に頼らざるを得ない状況。この喚起策も県内だけでは大幅な改善にはつながらない。(宿泊業)
・先月で「まん延防止」も終了し経済活動が徐々に好転している感がある。軌道に乗ることを見込して求人募集は都度行っているが今のところ成果は出ていない。一度、離れてしまった飲食関係のスタッフを再度呼び戻すのは困難な状況になっている。(飲食業)
・様々な商品で物流コスト上昇という理由を含み、価格改定されているが、実走する運送会社への運賃は全くと言っていいほど上昇はしていない。メーカーの立場や中間事業者の搾取など色々な事情があるものの、結局は実運送を行う運送会社の負担増は構造的に変わっていない。まずはトリガー条項の解除を即刻行って頂きたい。(物流業)
・当社は大幅な価格改定を昨年春、秋、本年春と、三度、実施しているが、それでも増加したコストをまるまる価格転嫁できていない。また労務費上昇分の交渉はほとんど認めてもらえず、歯がゆい思いをしている。(非鉄金属製造業)
・自社努力による新規得意先獲得によって売上高は前年並に近づいてきたが、原材料価格等の著しい高騰が収益悪化の大きな原因となっている。商品価格への転嫁を行ったが、必ずしも希望価格になったわけではなく、市場相場価格との間での妥協点で決着した場合がほとんどである。(受注減の可能性を考えると、そうせざるを得なかった。)(食料品製造業)
・今季予定していたロシア向けの案件や部品販売を保留せざるを得ない状況が続く。(内燃機関製造業)