全国業況は、オミクロン株の感染拡大により悪化。先行きは、感染急拡大への警戒感から厳しい見通し。
焼津市内業況は、悪化。先行きは、全国同様に、大幅に悪化する見通し。
※DI:Diffusion Index(ディフージョン インデックス=景気動向指数)の略。
各調査項目について、「増加」・「好転」したなどとする企業割合から
「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた数値で、企業の景況感の判断に使用する指数。
1月調査の傾向
全国の全産業業況DIは▲18.2(前月比▲2.4ポイント)となった。自動車関連や年始の初売りが好調だった小売業の業況感が改善したが、新型コロナウイルス感染症のオミクロン株の感染急拡大に伴うサービス業への悪影響と部品供給制約や原油価格などの資材・原材料費の上昇により悪化した。
焼津市業況DIは▲33.3(前月比▲5.5)となった。全国同様、オミクロン株への懸念から悪化した。さらに3か月後の業況感は、より厳しい見通し結果が出ている。
先行き見通しDIは、全国▲27.4(今月比▲9.2ポイント)、焼津▲61.1(今月比▲22.2)となった。オミクロン株の感染急拡大による営業時間短縮や人流抑制などの活動制約、春の観光需要喪失を不安視する声は多い。従前からのコスト増加とその価格転嫁の遅れによる業績への懸念も強い。
付帯調査テーマ
・新型コロナウイルスによる経営への影響
・新型コロナウイルスの影響を踏まえた資金繰りの対応
・2021年度の新卒採用(2022年4月入社)の動向
付帯調査の傾向
・「2021年度の新卒採用(2022年4月入社)の動向」は、全国的には新卒採用を実施した企業は前年比増加も計画通りの採用ができなった企業が約6割であった。焼津結果も同程度であった。
・「新型コロナウイルスの経営への影響」は、資金繰りの状況についてであり、前年と比較して足元の資金繰りの状況は落ち着いているものの、コロナ禍が長期化する中、コロナ関連融資の返済が迫る企業においては先行きへの不安の声も聞かれた。
調査企業からの声
・年明けよりオミクロン株の感染者が急増し、3月期までの先行きも不透明な状況。原油価格も高止まりが続いており、採算の悪化につながっている。当面は原油の価格動向には注視していかなければならない。(物流業)
・原材料価格の高騰が著しく、利益をかなり圧迫している。それにも関わらず、業界内の価格競争が未だに根深く、業界トップメーカーによる商品価格帯の見直しも一向に進む気配がない。(食料品製造業)
・順調に観光・団体旅行のご予約が増えてきた矢先にオミクロン株の感染拡大が首都圏・関西圏を中心に全国的に拡大し、やっと入ってきた予約が軒並みキャンセルとなってきた。現時点でもキャンセルが続き、今後「まん延防止」地域が増加した場合、また同じような悪い状況に舞い戻るだろう。水際対策の甘さを露呈した形だ。(飲食業)
・客先メーカーは部品不足から出荷が出来ない状態が昨年末から続いている。年明けは一層状況が悪化し、引き合いはあるが作れない。となる。供給不足が需要を減らす展開になりそう。部品調達は大手ほど川上で抑えることが出来、2部上場レベルの企業であってもまともに購入できない状態。(非鉄金属製造業)
・件の焼津漁港における話題が全国の取引先より出ており、焼津のイメージが悪い方に傾いてきているのを感じる。当社も焼津魚市場を通して原魚を買い付けており、今後焼津への水揚げ量減少による価格の高騰も考えながら営業を続けていかなければならない状況である。(食料品製造業)